2026年オーストラリア連邦予算案の要点まとめ
昨夜発表された、2026年オーストラリア予算についてです。
主に、Federal budget 2026 (SMH有料版)の記事を参考にしました。
アルバニージー政権、若者支持へ大きく舵
2026年5月に発表されたオーストラリア連邦予算は、「世代間格差(intergenerational inequality)」への対応を強く打ち出した、かなり大胆な内容となりました。
特に注目されているのは:
- ネガティブギアリング(不動産投資減税)の縮小
- キャピタルゲイン税(CGT)優遇の見直し
- 若い世代への税負担軽減
- 住宅価格抑制への挑戦
など、“資産を持つ世代”から“これから資産を作る世代”へ、少し重心を移そうとしている点です。
一方で、「選挙公約違反では?」「住宅供給が減るのでは?」「高齢世代への負担増では?」
といった批判も強く出ています。
今回の予算の大きなポイント
1. ネガティブギアリングを新築物件限定へ
オーストラリアでは、不動産投資で赤字が出た場合、その損失を給与所得などと相殺できる「ネガティブギアリング」という制度があります。
今回の予算案では:
- 今後購入する既存住宅には適用制限
- 新築住宅への投資のみ優遇
- 既存投資家は当面保護(grandfathering)
という方向が示されました。
政府の狙いは:
- 投資マネーが既存住宅価格を押し上げるのを抑える
- 新築供給を増やす
- 若い世代の住宅購入を少しでも容易にする
というものです。
2. キャピタルゲイン税(CGT)優遇の見直し
現在、投資物件や株を1年以上保有して売却すると、利益の50%だけ課税対象になる「50% CGT discount」があります。
今回の予算では:
- この50%割引を廃止方向
- 代わりにインフレ連動型(indexation)へ移行
- 2027年から最低30%課税案
などが示されました。
これにより:
- 不動産投資の旨味が減る
- 短期的な投機を抑える
- 税収増加
が期待されています。
ただし投資家側からは、
「長期保有リスクに対する優遇が消える」
「賃貸供給が減る」
という反発もかなり強いです。
3. 若い世代向けを意識した予算
今回の予算は、かなり明確に「住宅を持てない若い世代」をターゲットにしています。
背景には:
- Millennials と Gen Z が最大投票層になりつつある
- シドニーやブリスベンなどで住宅価格高騰
- 賃貸危機
- “親世代との差”への不満
があります。
政府は:
- 住宅供給促進
- 若年層向け税負担軽減
- 小規模な所得税オフセット
- 新築住宅インフラ投資
などを打ち出しました。
4. NDIS削減も大きな論点
予算改善のため、NDIS(障害者支援制度)の伸びを抑える方針も強く出ています。
- 数百億ドル規模の支出削減
- 参加者増加の抑制
- 制度見直し
などが進められる見込みです。
ただし:
- 障害者団体
- 医療・福祉関係者
からは強い懸念も出ています。
5. “世代間格差”が今回のキーワード
今回の予算全体を通して感じるのは:
「資産を持つ高齢世代」vs「住宅を持てない若年世代」という構図です。
アルバニージー政権は:
- 不動産優遇
- 資産優遇
- 一部税優遇
を見直し、「若い世代にも公平なチャンスを」というメッセージを出しています。
ただし、実際に住宅価格は下がるのか?
専門家の中には:
- 実際の住宅価格低下は限定的
- 数%程度しか変わらない
- 根本問題は供給不足
と見る人も多いようです。
つまり:
「税制変更だけで住宅危機は解決しない」
という見方もかなり強いです。
おわりに
今回の予算は、かなり「時代の転換点」を感じさせる内容でした。
※この記事は以下の報道を参考にしています